漁港が多い神奈川県の郷土料理をご紹介!

漁港が多い神奈川県の郷土料理をご紹介!

 

 

神奈川県には江戸時代から伝わる郷土料理があり、現在でも地元住民の間では貴重な食料源として味や伝統を受け継いでいます。どの料理も手軽に作ることができ、家庭でチャレンジするにも障壁が低いと言えます。かつては、地元の方々だけで作られ食されていましたが、現在では町おこしや地域おこしのために製造・販売されています。

かんこ焼きとは、相模原市緑区津久井に伝わる料理で、手軽におにぎりのような感覚でいただく料理です。この地域は昔から稲作に適さない土壌や地形であったため、米の代わりに小麦粉を使った皮が特徴です。具のレパートリーはとても豊富で、あずき・かぼちゃ・りんご・山菜など季節の特産物をペースト状に練り込んでいます。網焼きやオーブンで表面に軽くこげめがつくまで焼き上げ、ほくほくとした食感が人気です。他の地域では、たいこ饅頭や回転焼きという名称で親しまれています。形状が雅楽でつかわれる道具ににていることから、この名が付きました。自然の旨みや恵みを盛り込んだ健康的な食べ物であると言えます。

建長汁は、けんちん汁の発端になったと言われる汁ものです。鎌倉市にあるお寺の僧侶が作ったのがきっかけで、肉を入れずに作ります。禅寺の精進料理としてもてなされるため、精進料理としての位置づけです。具材は大根・人参・里芋・蒟蒻などで、いずれも薄くスライスして味噌汁と同じ要領で煮込んでいきます。使われる味噌は、西京味噌や信州味噌です。季節は冬が本場で、冷えた体を温める料理として有名です。地域や家庭により、具材のバリエーションが変わります。

桜の花漬けは縁起物として、神奈川県およびその近隣で有名です。7分咲きの八重桜を塩漬けにして、梅酢で色落ちしないよう処理します。日光に当たると色落ちする可能性があるため、保存は暗室や冷蔵庫の中が好まれます。花の摘み取りや加工は、専門の職人の手によって行われます。主に春先が旬で、入学式や遠足などおめでたい席に花を添えるあしらいです。神奈川県では、生産量が全国の約8割を占め、県外にも盛んに出荷されています。京都のお漬物屋でも販売されており、シンプルな味付けが幅広い層から支持を得ています。老舗和菓子メーカーや製パン業界でも重宝されており、和菓子やあんぱんにトッピングした商品が豊富にあります。

へらへら団子は横須賀市佐島に伝わる郷土菓子で、独特な形状をしたお餅です。平べったい餅で、小麦粉と上新粉を水で練り合わせて作ります。沸騰したお湯に小さくちぎった餅を入れ、火が通るまで茹で続けます。茹であがった餅に特製の餡やタレを絡めて食べます。年中通して食べられていますが、最も消費量が増えるのは夏場です。地元で行われる船祭りの際に、無病息災や豊漁を祈願して多くの家庭で作られます。へらへら団子は地域の小学校やボランティアの間でも作られています。家庭科の調理実習では地元の文化を学習する目的で、先生と生徒らで作ります。また、地域振興のために地元民が定期的に観光で訪れる方々に振る舞います。クセの無い味わいで、緑茶や抹茶とよく合います。もっとも県民がおすすめするのがへらへら団子です。

神奈川県内のホテルや旅館のおみやげコーナーでは、たいていへらへら団子が販売されています。さまざまな神奈川県の郷土料理を紹介してきましたが、これらは一部でまだ多くの料理が根付いています。全国には300種類を超える郷土料理があり、テレビ番組でも頻繁に取り上げられています。健康や長寿にも効果があり、クローズアップされています。

私たちも健康のバランスをよく考え、ファーストフード以外にもこういった料理に目を向けることが大切です。