関東ローム層が生んだ美味しい食材が魅力!埼玉県の郷土料理
- 2019.12.01
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関東ローム層は関東平野に広がる火山灰層で、赤土を表すロームは1881年にドイツの地質学者で後に東京大学理学部地質学教室の教授となるブラウンス氏により名付けられました。
赤土には鉄分を多く含み、大自然によって育まれた大地はやがて質の高い農作物が収穫できる豊かな土地となり広大な農村地帯が広がりました。
そんな関東ローム層の上にある埼玉県は美味しい食材が豊富に取り揃えられており、さまざまな郷土料理が誕生する大きな要因になっています。
今回は埼玉県の郷土料理の中から、特におすすめのメニューをご紹介します。
切り株揚げは、川越の上富地域で収穫された特産品のサツマイモの品種のひとつ「富の川越いも」を大胆にカットして、町の木に認定されているけやきの木の切り株に見立てて衣に絡ませて揚げたものです。
地元では冠婚葬祭の席で出されることが多かったこの料理は、サツマイモが元々持っているほんのりとした甘さが活かされた美味しさが人気となりB級グルメ決定戦などに出品されたことから今や全国区の人気となりました。
冷汁うどんは、主に埼玉県の大宮や川越、加須などで夏場の家庭料理として食べられているうどんで、ゴマや米麹麦味噌、シソの葉、砂糖などをすり鉢ですり潰し、冷水や出汁を加えて混ぜたつゆにお好みでミョウガや生姜などを加えて食べます。
炎天下で重労働を行う農民が時間や食欲が無い時でも、暑い夏を乗り切るために簡単に美味しく食べられるものとして作られたと言われており、その味と栄養のバランスの良さは現代でも引き継がれています。
2007年には農林水産省により、各地に伝統的に伝わっている故郷の味として「農山漁村の郷土料理百選」に選ばれました。
ゆべしは漢字では柚餅子と表記し柚子を使用した料理や菓子全般を示しますが、埼玉県の郷土料理のゆべしは源平の時代に誕生したと言われており、柚子の中に詰め物をした料理です。
柚子の中身をくり貫き、中には上新粉、ゴマ、味噌、黒砂糖、干し柿などを詰めて蒸したもので、保存食や携帯食として利用され現代では珍味として親しまれています。
つとっこは、秩父地域に今も残る伝承料理のひとつで、水につけたうるち米と煮た小豆を混ぜて栃の葉に包み、わらで結んだものです。
5月の節句に家庭料理として食べられていたのをはじめ、農家では繁忙期に手軽に食べられる保存食として作り置きをされていました。
しゃくし菜漬けのしゃくし菜は秩父地方の寒さが厳しい地域で栽培されており本来の名前は雪白体菜ですが、その形が「飯しゃくし」、現代のしゃもじと似ていることからいつしか「しゃくし菜」と呼ばれるようになりました。
しゃくし菜は漬物にすると乳酸発酵が進み、そのまま食べられるのはもちろんのこと、比較的薄味なので炒めたりまんじゅうに詰めるなど他の料理の素材に利用して食べることもあります。
つみっこは、小麦粉の栽培が盛んに行われている埼玉県本庄市の郷土料理で、地元で収穫された良質な小麦粉と野菜を贅沢に使ったメニューです。
まずは小麦粉と水、塩を混ぜて団子を作り鶏もも肉、ニンジン、レンコン、しめじ、大根などを炒めてから水、醤油、塩などを加えて味を調え、最後にお好みで長ネギなどを垂らせば完成です。
つみっことは本庄地方の方言で「つみとる」を表し、小麦粉を練ったものを手でつみとるように千切って鍋に入れたことからこの名前が付けられました。
本庄地方では養蚕や機織りも伝統産業として盛んで、仕事の合間に食べられていたのが始まりだったと言われています。
いずれの埼玉県の郷土料理も地域の生活と密着していたもので、その伝統的な製法と味は現代にも引き継がれています。
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