歌舞伎デビューしたい!初心者におすすめの演目とは

歌舞伎デビューしたい!初心者におすすめの演目とは

「歌舞伎を観に行ってみたい!でも、初めてだから何を観たら良いかわからない。」
「そもそも、古典はハードルが高すぎて、観劇しても理解できるか不安。」
歌舞伎に興味を持ってもそんな考えがちらついて二の足を踏んでしまった……なんてことはありませんか?
今回は、歌舞伎初心者も楽しめる、おすすめの演目をピックアップしてご紹介します。
演目の種類について、興味のある作品を見つけてみましょう。

歌舞伎の演目は大きく分けて3種類

時代物(じだいもの)

江戸時代より古い時代の出来事を描いた作品のことです。
当時、幕府の法令により、時事問題をそのまま取り扱うことが禁じられていた為、江戸時代に起きた出来事を、江戸以前の時代に置き換えて作られた作品も含まれています。
要は、江戸時代に住む人々から見た時代劇ということになります。

世話物(せわもの)

江戸時代における町人や庶民の日常生活を題材とした作品のことです。
時代物と異なり、実際の出来事が描かれている為、ストーリーやセリフが分かり易いのが特徴です。
江戸時代に住む人々にとって、身近で親しみを感じられる現代劇ということです。

所作事(しょさごと)

舞踊(=踊り)や舞踊劇のことを指します。
舞踊そのものとして作られた作品や、ある演目の中から踊りの部分だけを取り上げて、それを単独の作品として演じられることもあります。
ほとんどセリフが無いということが特徴です。

成り立ちによる分類は3種類

義太夫狂言(ぎだゆうきょうげん)

人形浄瑠璃の作品を歌舞伎に移したもので、丸本物(まるほんもの)とも呼びます。歌舞伎では、物語の要素が強いものを「狂言」といい、登場人物の心情や状況描写を語る、音楽・ナレーションの役割である「義太夫節」と合わさり、「義太夫狂言」となりました。また、この「義太夫節」を演奏する人のことを「竹本」と言います。

純歌舞伎(じゅんかぶき)

他の作品内容を移すのではなく、歌舞伎として上演される為に書かれた作品のことを指します。純歌舞伎の中でも、代表的な演目の種類は時代物と世話物とされています。

新歌舞伎(しんかぶき)

明治時代中期から昭和時代初期頃に、歌舞伎とは関わりが無かった外部の作家(小説家など)によって書かれた作品のことを指します。それまでとは異なり、西洋風な作品が、近代的な演技・演出に基づいて上演されました。

ズバリ!初心者に分かり易いのは「世話物」

江戸時代の現代劇である「世話物」は、ストーリーもセリフも比較的分かり易い作品が多い為、歌舞伎ビギナーの方におすすめです。
有名なのは、幕末から明治にかけて活躍した歌舞伎狂言の作者「河竹黙阿弥」の作品。ホラーや舞踏、コメディタッチな作品もあるそうなので、初めての歌舞伎作品に悩んだら、「世話物」をチェックしてみましょう。

歌舞伎初心者におすすめの作品「世話物」編

①助六由縁江戸桜(すけろく ゆかりの えどざくら)

通称「助六」と呼ばれています。主人公の男「助六」が、父親の敵討ちの為、遊女屋に出入りするという話ですが、シリアスな場面よりも、威勢の良いセリフやコミカルな掛け合いが見どころです。

②青砥稿花紅彩絵(あおとぞうし はなの にしきえ)

盗賊男5人組の話で、通称「白浪五人男」と呼ばれています。弁天小僧が言う、「知らざあ言って聞かせやしょう」のセリフは、歌舞伎一の名セリフとして知られています。

③東海道四谷怪談(とうかいどう よつやかいだん)

通称「四谷怪談」と呼ばれる、日本の代表的な怪談「お岩さん」の話です。毒薬を飲まされたお岩が髪をすくと、次々と毛が抜け落ちます。徐々に顔が崩れて行く様は、見どころです。

歌舞伎初心者におすすめの作品 その他

①勧進帳(かんじんちょう)

主君・源義経を、いかに関所に通すか心を砕く弁慶と、関を守る富樫のやり取りを描いた「時代物」の作品です。

②連獅子(れんじし)

獅子親子の、厳しくも愛情が溢れる子育てを題材とした、「所作物」で人気の演目として知られています。

③京鹿子娘道成寺(きょうがの こむすめ どうじょうじ)

主人公の花子が、かつて恋した男を想うあまり、道成寺の鐘の上で大蛇と化した悲恋がテーマの演目です。女形の華やかな衣装と、しなやかな舞が見どころの舞踏作品です。

TVやニュースなどで聞いたことある!というものもあったのではないでしょうか。
気になるものがあれば調べてみて講演のチャンスを見つけて、足を運んでみるといいですね。