華やかな世界!歌舞伎の舞台衣装

華やかな世界!歌舞伎の舞台衣装

日本の伝統芸能である歌舞伎ですが、
その舞台衣装の色鮮やかさは、目が醒めるほどに輝かしく、
演目の内容のみでなく、衣装を観るのも楽しみの一つと言えるでしょう。

しかし、本当に多くのデザインがある中、
どのような基準で衣装を着用しているのでしょうか。

今回は、歌舞伎の舞台衣装についてご紹介します。
衣装の意味を知ると、難しそうな演目でも、
話の流れが汲み取りやすくなるかもしれません!

着物がメイン!歌舞伎の舞台衣裳

歌舞伎は、江戸時代にできた日本の伝統芸能である為、
その衣装も江戸時代の服装が基準になっています。

必ずしも、当時の衣服をそのまま再現している訳ではなく、
舞台映えするように、誇張したデザインになっています。

また、芝居を演じる俳優の動きにも考慮し、
衣服の形や縫製も進化を遂げてきたようです。

庶民の気持ちが滲み出る!独自の発達を遂げた歌舞伎衣装

町人芸能である歌舞伎は、江戸幕府が出した様々な禁止令により、
衣装においても干渉を加えられてきました。

許された範囲の中で、個性を出そうと工夫されてきた歌舞伎衣装は、
庶民達の「しぶとさ」や「我慢強さ」が投影されていると言えます。

また、歌舞伎の華やかで豪華な衣装は、江戸の庶民達にとって憧れであった為、
当時、人気俳優の衣装を真似た着物が江戸中で流行したそうです。

ど派手な色使い!衣装の色に意味はあるの?

「歌舞伎は江戸時代から伝わる伝統芸能…
その割には衣装が派手じゃない!?」

歌舞伎の舞台衣装は、現代の衣服でも珍しいカラフルな原色や、
ユニークなデザインを用いています。

実は、舞台衣装の色や組み合わせには、
演目を観る上でも理解しておきたい、大切な意味があります。
歌舞伎の舞台衣装は、俳優が好きな着物を着ている訳ではなく、
役柄ごとの決まりに従って、着用されているのです。

色の意味

衣装の色 役柄
お姫様
田舎娘・滑稽な役柄の人
黒・茶 悪役・憎まれ役
淡い青 正義感がある爽やかな人
高貴な身分の人

女形(おんながた)の衣装について

特徴 役柄
赤い着物に大きなかんざし 良家のお姫様
緑の着物 田舎娘
黒い掛け襟 町人

帯の結び方の違い

結び方 役柄
振り分け帯
(帯の先が長く垂らしてある)
未婚女性
お太鼓結び
(背中で四角い形に帯が締めてある)
一般庶民の女性
文庫結び
(背中でリボンの形に帯が締めてある)
武家の女性

知っておくと便利!他にはこんな衣装がある!

「立役(たちやく)」(男性役)の主な衣装は
「袴」にジャケットのような「羽織」を合わせた「着物」です。

「着物」はそのままでも、外着になりますが、
「袴」をつけると、より畏まった正装になります。

また、「袴」に、両肩がピンっと張った形の
「肩衣(かたぎぬ)」を着用した「裃(かみしも)」
と呼ばれる服装は、武士の礼服です。

町人の正装である「羽織袴(はおりばかま)」は、
現代でも、和装の結婚式等で男性が着用しています。

他にも、お姫様や大名の奥方が裾を長く引きづり、
着物の上から羽織る華やかな裲襠(うちかけ)や
町人が着る「半纏(はんてん)」や「浴衣」が衣装として使用されています。

歌舞伎ならでは!独特なメイク「隈取(くまどり)」

白塗りに赤や青で線を描いた印象的な顔は、
歌舞伎をよく知らない人でも、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

これを「隈取(くまどり)」と言います。

昔、照明やスクリーンなどの技術が発達する以前に、
「どの客席からでも役者の表情が分かるように」と工夫されたことから、
「隈取」が誕生しました。

「隈取」は観客に与えるインパクトのみでなく、
顔の筋肉や血管を強調しており、役柄や感情を表現しているそうです。

主に、「時代物(じだいもの)」と言われる、
江戸時代の人々にとっての「時代劇」に使われます。

更に、「隈取」に使われる線の色にはそれぞれ意味があります。

色の意味

  • 赤…正義や善
  • 青…冷酷な感情や悪役
  • 茶…鬼や動物の化身など人間ではないもの

「時代物」を観劇する際は、役者の「隈取」に注目すれば、
色の使い分けによって、登場人物の役柄や心情の理解が深まりますので、
是非、頭の片隅に記憶しておいて下さいね!