歌舞伎唄って何?音楽による演出方法

歌舞伎唄って何?音楽による演出方法

歌舞伎と言えば、あの独特な音楽。
歌舞伎の音楽には、何か特別な意味があるのでしょうか?

今回は、演目で使われている「歌舞伎唄(かぶきうた)」
についてご紹介します。

いろんな種類の音を聞き分けることが出来れば、
内容の理解にも繋がり、
さらに歌舞伎を楽しめること間違いなしです!

歌舞伎唄(かぶきうた)とは

そもそも、歌舞伎唄とは、
文字通り歌舞伎に用いられる歌のことで、
「長唄(ながうた)」と言われる
江戸時代に発展した「三味線音楽」が代表的です。

昔、中学校の音楽の授業で、
赤い雛壇の上で袴や着物を着た人が
横並びに座り、音楽を演奏している

映像を見ませんでしたか?
あれが「長唄」です。
(私はずっと昔の話で、記憶が薄いですが 笑)

また、「囃子(はやし)」と言われる
能管や篠笛、小鼓、大鼓、太鼓等の打楽器と一緒に
リズミカルな音楽を演奏するのも特徴的です。

音楽にはどんな役割があるの?

「歌舞伎唄」と一口に言っても、
実は、場面や用途によって、
バリエーションに富んだ音楽が使われています。

大きく分けて種類は2つ

  • 舞踊の伴奏としての所作事唄(しょさごとうた)
  • 舞台の効果音としての下座音楽(げざおんがく)

ちなみに「所作事」とは
歌舞伎舞踊のことを指し、
「振事(ふりごと)」「景事(けいごと)」とも言います。

陰で舞台を支える下座音楽

舞台下手には、簾が掛かった
「黒御簾(くろみす)」と呼ばれる小部屋があり、
その中で演奏されるのが
「下座音楽(げざおんがく)」です。

この下座音楽には、2通りの呼び名があり

  • 陰囃子(かげばやし)
  • 黒御簾音楽(くろみすおんがく)

と言います。

また、主に下座音楽は

  • 幕開(まくあき)
  • 幕切(まくぎれ)
  • 場面の転換
  • 人物の出入り
  • セリフの最中

に演奏され、その効果音によって
舞台の雰囲気を盛り上げているのです。

バタバタバッタリ!は「ツケ」、チョンチョン!は「柝(き)」

歌舞伎の代表的な動きと言えば、
役者が睨みを効かせる「見得(みえ)」ですよね。
役者がその「見得」を切る際に、
「バタバタ、バッタリ!」という音が聞こえてきます。

これを「ツケ」と言います。

「ツケ」は、演技を強調する効果があり、
ツケ板という板に木を打ち付けて、
音を出すそうです。

役者が駆けて出て行く際に、
小刻みな足音を演出しているのも、
この「ツケ」なんだとか。

また、幕開や幕切に聞こえる
木の「チョンチョン!」という音。
あれは「柝(き)」と言います。

舞台の進行を知らせる為に
用いられているそうです。

まとめ

役者や芝居のセリフだけでなく、
歌舞伎で使われる音や音楽について学ぶと、
演目の内容が、もっと理解出来そうですね!

歌舞伎を観に行く直前に
是非、もう一度この記事を見直して、
友人や彼氏と共有してみてはいかがでしょうか。