屋号で格付け?歌舞伎界の家元にまつわる話

屋号で格付け?歌舞伎界の家元にまつわる話

テレビのニュース番組で
歌舞伎俳優の方が出演されると
その方の名前とは違う
「成田屋」「中村屋」
なんて記載されているのを
見かけたことがありませんか?

400年以上の歴史をもつ
日本の伝統芸能「歌舞伎」。

今回は、長い歴史を持つ
歌舞伎の家元について
紹介いたします。

実は、生まれた家元によって
ある大切なことが決まるんです!

その秘密が気になる方は
是非、最後まで読んでいって下さい!

歌舞伎でよく耳にする「屋号」って何?

歌舞伎における屋号とは、
役者の一家や一門によって決まっているもので、
歌舞伎通にとっては、この「屋号」を見るだけで
お家の特徴や芸風が分かると言われている程、
歌舞伎の世界において重要な意味を持つそうです。

元々は、江戸時代にそれまで
身分が低いとされていた歌舞伎役者も、
商売を始めて良いことになり、
「八百屋」とか「魚屋」のように
「○○屋」と付けた名前が
そのまま現代も受け継がれる
歌舞伎の「屋号」になったんだとか。

そして、この「屋号」によって
歌舞伎役者の格が決まると
言われているんです。

家元に格付けがあるって本当?

一般的には、昔の貴族のような
厳しい格付けは無いと言われていますが、
それでも、歴史が長い屋号は格が高い
見られる傾向にあるようです。

中でも、一番古い歴史を持つ
と言われる「成田屋(なりたや)」は
最も高いランクに位置付けられています。

市川 團十郎の名を継ぐ
この「成田屋」は、歌舞伎の宗家とも
呼ばれているそうですよ!

さて、その他には
どのような屋号が高いランクに
位置づけられているのでしょうか。

格が高いとされる家元

最高位は、十一代目 市川 海老蔵さんの
お家元である「成田屋」。

江戸時代から続く名門として
それに続くのは 


音羽屋(おとわや)
芸名:尾上 菊之助、坂東 彦三郎 等

高麗屋(こうらいや)
芸名:松本 幸四郎、市川 染五郎 等

中村屋(なかむらや)
芸名:中村 勘三郎、中村 勘九郎 等

成駒屋(なりこまや)
芸名:中村 歌右衛門、中村 橋之助 等

大和屋(やまとや)
芸名:坂東 玉三郎、坂東 三津五郎 等

松島屋(まつしまや)
芸名:片岡 幸太郎、片岡 愛之助 等


歌舞伎界の家系において
ハイランクの家元を紹介してきましたが、
皆さんは、舞台においてこの格付けが
どのように反映されていると思いますか?

家元の格で役や舞台が決まる

歌舞伎の世界では、
格の高い家元の役者が主演
その他は脇役を務めるのが
伝統となっているそうです。

務める役柄においては、
家系に代々継承されている芸風や
得意な役柄(女形・立役等)に
よっても決まるそうですが、
家元の格付けによって
出演できる公演や、役の大きさも
変わってくるんだとか。

とはいっても、
歌舞伎俳優の格付けは、家元だけでなく、
個人の実力や人気度も重要です。

ちなみに、現在一番ランクの高い
歌舞伎役者は、俳優協会の会長である
坂田 藤十郎さん(屋号:山城屋)
だと言われています。

しかし、先述したように、
「成田屋」は最も伝統ある
家元とされていますので、
現在、その「成田屋」の家主である
十一代目 市川 海老蔵さんが
2020年5月に
十三代目 市川 團十郎を襲名すると
また、この格付けも
変わってくるのかもしれませんね。

まとめ

今回は、歌舞伎俳優の家元について
さくっと紹介しました。

伝統芸能というだけあって、
やはり長い歴史を持つ家元が
大切にされているのが分かりましたね!

少し緊張してしまうような内容でしたが、
歌舞伎役者の芸名や屋号を
なんとなーく知っておくと、
お芝居を観る際も、役立ちそうです!