歌舞伎を着物で?観劇にふさわしい着物とマナー

歌舞伎を着物で?観劇にふさわしい着物とマナー
「歌舞伎の観客は、着物を着ているイメージ。

年に何回行けるか分からない特別な行事だから、
私も着物に挑戦してみようかな…
でも、どんな着物を着て行けばいいんだろう…?」

今回は、歌舞伎観劇にぴったりの
着物の種類を紹介します。
これを読めば知識がなくても、
念願の歌舞伎観劇を着物で楽しめますよ。
是非、ご一読ください。

歌舞伎観劇の服装は着物もおすすめ!

元々、歌舞伎は庶民の娯楽であったこともあり、
基本的には、服装に関して堅苦しいルールはありません。

歌舞伎は、海外からの観光客が訪れることも多く
また、作品によっては3時間以上の
長丁場になることもあることから、
会場では、カジュアルな服装の観客も目にします。

初めての観劇であれば、
服装選びに悩んだ結果、着馴れた洋服で行くというのも
もちろんアリですが、
せっかくの歌舞伎観劇ですから
着物で行くのもおすすめです!

日本の伝統芸能という
和の雰囲気に合わせて着物を着れば、
ぐんっと雰囲気が出て、
さらに歌舞伎が楽しめますよ。


とはいっても、
「今まで着物なんて着たことがないし、
どのような柄を着れば良いか分からない!」
とお考えの方も多いのではないでしょうか。

どんな着物を着たらいい?

歌舞伎観劇時にふさわしい着物は
以下の5種類です。

  • 訪問着(控えめな柄のもの)
  • 付け下げ
  • 小紋(こもん)
  • お召(おめし)
  • 紬(つむぎ)
  • 一体、それぞれどのような着物なのでしょうか。
    詳しく見てみましょう。

    ①訪問着(控えめな柄のもの)

    訪問着は、セミフォーマルに位置づけられており、
    披露宴や改まったパーティー、
    子供の七五三や卒入学式など、
    フォーマルシーンからカジュアルシーンまで、
    年齢や既婚・未婚問わず着ることが出来ます。

    訪問着には、肩から胸や袖にかけて模様が入っており、
    華やかな印象を与えます。

    帯や小物と合わせたコーディネイトも
    楽しみやすい着物です。

    ②付け下げ

    訪問着同様、セミフォーマルの位置づけです。

    付け下げには、訪問着のように
    縫い目を越えて全体が繋がっているような
    大きな模様がないため、
    訪問着に比べて華やかさは控えめな印象です。

    結婚式やパーティー等の華やかな場所よりも
    お宮参りや七五三等、自分以外を引き立てる際に
    向いている着物
    です。

    ③小紋(こもん)

    普段着として用いるカジュアルな着物です。

    結婚式や入学式等、正式な場にはNGですが、
    お食事や観劇、ショッピング等にはぴったりです。

    訪問着と付け下げの模様は、
    肩の方が上になるようにデザインされていますが、
    小紋は、上下関係なく遊び心のある柄が
    着物全体に広がっているのが特徴です。

    ④お召(おめし)

    絹100%の生地(正絹)を使用した
    平織の織物で、御召縮緬(おめしちりめん)
    とも呼ばれる、織の中での最高級品です。

    基本的に織の着物はカジュアルとされていますが、
    江戸時代に徳川将軍が好んで
    お召しになったことから「お召」と呼ばれ、
    織物の中では別格です。

    全体に光沢があるのが特徴で、
    セミフォーマルとして着用することが出来ます

    ⑤紬(つむぎ)

    色糸から織られた絹織物で
    「先染めの着物」と言われています。

    簡単な繰り返し模様が多く、
    色使いも1~3色と、全体的に
    シンプルな印象です。

    結婚式やパーティーで着用することは
    出来ませんが、軽い外出着として、
    お稽古や食事等に向いています

    着物で観劇する際の注意事項

    歌舞伎観劇のルールで重視されていることは、
    周囲の人への気遣いです。

    着物を着ていると、帯があるため
    観劇中、前のめりになってしまいそうですが
    帯をくるっと前に持ってくることで
    着物を着ていても、背もたれに背中をつけて
    観劇することが出来ます。

    前のめりで着席していると、
    帽子や大きなお団子頭と同様、
    後ろの人の視界を妨げてしまいますので
    注意が必要です。

    また、会場で一人目立ってしまうような
    派手な柄や装飾の着物は避けましょう。
    洋服を着て行く際の注意点と同じように、
    お客様だけでなく、舞台上の役者にも
    気を配ることが歌舞伎のマナーです。

    まとめ

    洋服のように、着物にもフォーマルから
    カジュアルまで格があるので、
    TPOに合わせて着用したいですね。

    歌舞伎観劇では、主役はあくまで舞台上の方々なので
    控えめな色や柄の着物を選ぶことがポイント
    です。

    とはいっても、帯や小物次第で演目に合わせた
    コーディネイト
    も楽しめますので
    是非、歌舞伎を着物で観に行ってみてはいかがでしょうか。