意外と知らない!歌舞伎の発祥と名前の由来

意外と知らない!歌舞伎の発祥と名前の由来
「歌舞伎は江戸時代から伝わる
日本の伝統芸能」
敷居が高そうと思われていた
歌舞伎観劇ですが、
今では、海外観光客も
足を運ぶほど。
でも、実はあんまりよく知らない
という方、多いと思います。
かく言う私も
先日、海外の友人に
「『カブキ』トワ
ドウイウ イミ デスカ?」
と聞かれ、情けなくも
少々悩みました(汗)
そこで今回は、
歌舞伎を観に行った方や
これから行かれる方も必見!
歌舞伎の発祥について
ご紹介します!
歌舞伎の歴史を知ると
お芝居を観る目が変わるかも!?
是非、最後までご一読下さい!
「歌舞伎」その名称の由来とは
とはいえ、
「歌舞伎」という名前の由来は
聞いたことがある方も
多いのではないでしょうか?
今は「傾く」と書いて
「かたむく」と読みますが、
これを昔は、「かぶく」
と読んでいたことが
「歌舞伎」の語源だと
言われています。
戦国時代末期から
江戸時代初期にかけて
都市部で流行った
「かぶき者」
という社会風潮が
ありました。
これは、派手な身なりや
一風変わったことを好み
常識を逸脱した行動に走る人達
のことを指す呼び名で、
茶道や和歌などの
芸道を好む人たちのことを
「数寄者(すきもの・すきしゃ)」
と呼んでいましたが、
その人たちより、もっと
数寄者に”傾いた”者という
意味だったそうです。
ちなみに「数寄者」の
「数寄」は、本来「好き」
という意味なんだとか。
なるほど!
では、この「かぶき者」ですが
現代の芸能歌舞伎に繋がるような
直接的な関係はあったのでしょうか?
女性が起源!歌舞伎は出雲阿国から始まった
一風変わったことを好む
この「かぶき者」、
その斬新な動きや人目を引く
派手な服装を取り入れ
踊りにして見せたのが
「出雲阿国(いずものおくに)」
という女性でした。
彼女は、出雲大社の巫女で
その出雲大社への募金活動で
全国を回っていた際に
考え着いたパフォーマンスが
「かぶき踊り」だったそうです。
「かぶき者」の動きに
歌と踊りを合わせた上に
男装して臨んだ
この「かぶき踊り」が
当時、町中で大流行!
現在、歌舞伎は男性の世界ですが
始めは女性が演じていたことから
「歌舞する女」の意味で、
「歌舞姫」「歌舞妃」「歌舞妓」などの
表記が用いられていたそうです。
さて、女性が起源なのに
いつから歌舞伎は
男性が演じるようになったのでしょうか。
女歌舞伎から野郎歌舞伎へ
はじまりの女歌舞伎
女性の出雲阿国が始めた
「かぶき踊り」ですが、
その評判にあやかって、
様々な歌舞伎集団が
出てきました。
しかし、この「かぶき踊り」は
現在の歌舞伎とは少し異なり、
女性が露出の高い服を着たり
遊女が舞台に立つ等、
風紀を乱すような演出が
見受けられるようになりました。
そして、当時の幕府は、
「これは良くない」と
女性が舞台に上がることを
禁止するようになったのです。
18歳までの男性で行う若衆歌舞伎
そこで、今度は
「18歳くらいまでの若い男性を女装させて
舞台に立たせよう!」
ということになったのですが、
これも、風紀を乱すことに
繋がるといった理由で
幕府が禁止令を出しました。
ちなみにこれを
「若衆歌舞伎(わかしゅうかぶき)」
と言います。
成人男性で行う野郎歌舞伎の誕生
そしてついに!
成人の証である
前髪を切り落としたヘアスタイル
「野郎頭(やろうあたま)」を
持つ男性たちが舞台に立つ
「野郎歌舞伎(やろうかぶき)」が
誕生したのです。
歌や踊りはもちろんのこと、
若衆歌舞伎から始まった
男性が女性役を演じる
「女形(おんながた)」も
このあたりから
確立されて行ったそうです。
また、この頃から
現代の歌舞伎に近い
筋立てのある演劇的なものに
変化して行き、役者のスキルも
より高いものが求められるように
なって行きました。
現在も発展は止まらず新しいスタイルが誕生
こうして広まった歌舞伎は
長い間、観客を楽しませる為の
工夫や努力を積み重ねて
現在の歌舞伎となったのです。
このように「歌舞伎」は
長い歴史ある日本の伝統芸能ですが
その発展は止まることなく、
今も尚、「ワンピース」や「風の谷のナウシカ」
「NARUTO-ナルト⁻」等の
「スーパー歌舞伎Ⅱ」と言われる
新しいスタイルの歌舞伎が
誕生しています。
若い年代の人にも
親しみを感じてもらい、
楽しませたいという
昔と変わらない
エンターテイメント性が
窺えるのも歌舞伎の
素敵なところですね。
まとめ
起源が「変わり者を真似した
女性の踊り」だったなんて
驚きでした!
400年以上もの長い年月を掛けて
培われてきた歌舞伎の技術を
是非、劇場で味わってみて下さいね!
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