役者絵ってなに?歌舞伎役者を描く謎の浮世絵師とは

以前、歌舞伎と浮世絵には
切っても切れない深い関係性が
あることをお伝えしました。
今回は、その浮世絵の中でも
「役者絵」について紹介します。
歌舞伎の演目内容だけでなく
関連する歴史について学び、
家族や友人を誘うネタに
しちゃいましょう!
役者絵(やくしゃえ)とは
江戸時代から明治時代にかけて
描かれた浮世絵の様式の1つです。
絵の題材は、歌舞伎役者や
舞台、大道具、小道具、
歌舞伎を楽しむ人々など。
浮世絵といえば「美人画」を
思い浮かべる人も多いと思いますが
その「美人画」に匹敵する程
膨大な量の役者絵が描かれたそうです。
歌舞伎と浮世絵についてもっと
知りたい方はこちらの記事も是非!
歌舞伎と浮世絵の深い関係性
「役者絵」といえば東洲斎写楽
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)は
江戸時代中期の浮世絵師で、
約10か月という短い期間に
145点ほどの作品を生みだし、
突如姿を消したと言われる
謎の絵師として知られています。
写楽の代表作といえば、
誰もが一度は目にしたことがある
「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」。
大首絵と言われる構図で、
歌舞伎役者の上半身が
一面に大きく描かれていて、
表情やポーズがユニークに
表現されているのが特徴です。
前述したように、
写楽は生没年不詳で
この正体不明の絵師について
これまで様々な研究が
されてきました。
現在では、
東洲斎写楽はペンネームで
八丁堀に住んでいた
能役者の斎藤十郎兵衛だった
という説が、有力になっているそうです。
“東洲斎”を並び替えると
“さい・とう・じゅう(斎・藤・十)”
になるなんていう推測までありますが、
まだ、確実に裏付ける資料が
見つかっていないため、
あくまで予測の段階です。
写楽の「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」は
現在も、ポスターや商品のパッケージに
使われていますので、
是非、目を凝らして探してみて下さい。
「役者絵」を英語でいってみよう!
役者絵を含めて日本の浮世絵は、
海外からも注目を浴びています。
年々増加する海外からの観光客に
日本の文化について質問されて
さらっと答えられたら
かっこいいですよね!
そんな時には
以下の英語表現が使えます。
①浮世絵は日本の伝統的な絵画芸術のジャンルです。
Ukiyo-e is a genre of Japanese traditional painting.
②浮世絵は木版画です。
Ukiyo-e is a form of woodblock prints.
③歌舞伎役者が描かれた浮世絵を、役者絵といいます。
Ukiyo-e containing kabuki actors as the subject is called Yakusha-e.
④役者絵で最も有名な絵師の1人は東洲斎写楽です。
One of the most famous artists of Yakusha-e is Tosyusai Sharaku.
せっかくなので、自国の文化を
他国の人々に知ってもらう
きっかけの1つとしても
上記の英語表現を使ってみて下さい!
まとめ
役者絵は、歌舞伎の宣伝の
役割も果たしていたので、
もし、江戸時代に役者絵が
発展していなければ
現在の歌舞伎は存在していない
かもしれません。
そう考えると、これからも
文化と文化の繋がりや
日本伝統の文化そのものを
大切にしていきたいですね。
東洲斎写楽の他の作品も
是非、調べて見て下さいね!
-
前の記事
「松竹歌舞伎会」って何?ゴールド会員と入会のメリット 2020.07.28
-
次の記事
知らなかった!オペラと歌舞伎の意外な共通点 2020.08.07