見得を切るってどういう意味?歌舞伎ならではの演出方法

見得を切るってどういう意味?歌舞伎ならではの演出方法

「見得を切る」という言葉を
聞いたことがありませんか?

寄り目のような表情と共に
大きなポーズをとる
歌舞伎特有の表現ですよね。

一度は観たことがある
という方も多いと思いますが
どんな意味があるか、知っていますか?

今回は、歌舞伎ならではの演出方法
「見得」について紹介
します。

この記事を読み終えたころには
「へぇー」と
言っているに違いありません!
是非、最後までお目通し下さい。

歌舞伎でよく聞く「見得」って何?

「見得(みえ)」とは、
歌舞伎独特の演技手法で、
物語の重要な場面や
登場人物の気持ちが高まった際に
演技の途中で静止して
ポーズをとることで
観客の注目を集めます。

例えば、テレビの戦隊ものでも
悪役が暴れているところに
突如ヒーロー役が登場して

「私が来たからにはもう安心だ!」

といったセリフを言うシーンが
ありますよね。

その際、カメラがヒーロー役に
クローズアップしますが、
「見得」もこれと似たような
効果
があります。

歌舞伎が誕生したころには
現在のようにカメラや照明の
技術が発達していなかったので
その中で工夫された
歌舞伎ならではの技法が
この「見得」だった
のです。


また、役者が「見得」を切る際には
ツケ板という木の板を打ち付けて
バタバタバタという音を合わせます。

これが役者の演技を強調させる
重要な効果音
となるのです。

歌舞伎ならではの
演出と言えば歌舞伎メイクも
押さえておきたいですね。

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「見得を切る」は間違い!?

「見得を切る」とは、
歌舞伎の役者が見得のポーズを
とることを指しますが、
実は、この言い方は間違いで
本来は「見得をする」が
正しいと言われています。

また、歌舞伎の「見得」から
一般的に、「自分を誇示するような態度や言動をする」という意味で
「見得を切る」という慣用句

使われるようになったんだそうです。

「見得」にはどんな種類があるの?

「見得」には、様々な種類があり
芝居や場面に合わせて
演じられています。

ここでいくつか紹介しましょう。


①元禄見得(げんろくみえ)
右手を水平に伸ばし
左手は肘を曲げて上にかざします。

「見得」を切ると同時に
左足を大きく踏み出して
力強さを表現します。

これは、初代 市川 團十郎が
生み出したと言われているそうです。

歌舞伎と聞いてイメージする「見得」は
元禄見得の形が近いのではないでしょうか。


②石投げの見得(いしなげのみえ)
左足を上げ、頭上で右手をパッと開き、
石を投げたような姿勢になります。

これを観たいという方は、
歌舞伎十八番の「勧進帳」で
弁慶に注目してみて下さい。


③不動の見得(ふどうのみえ)
不動明王のポーズをとる「見得」で
こちらも歌舞伎十八番の「勧進帳」で、
左手に数珠、右手に巻物を持った
弁慶が行いますよ。

知らなかった!「見得」と「にらみ」の違い

歌舞伎において
「見得」のほかに「にらみ」
という言葉を聞いたことがありませんか?

「にらみ」は言葉どおり、
目を見開いてにらみつける
目つきのことで、これは、
数ある「見得」の1つなのです。

しかし、この「にらみ」には
ある特別な意味があります。

実は、「にらみ」は誰でも
やって良いというものではなく、
成田屋だけに継承される
伝統的な所作なのです。

つまり、他の屋号の役者が
「にらみ」を演じることは
ありえないのです。

また、この「にらみ」には
江戸時代から邪気払いや厄除け
意味があるとされていて、

團十郎ににらまれると、
1年間無病息災で過ごせる

とまで、言われていました。

そういったご利益の意味もあって
現在では、歌舞伎役者の襲名披露や
祝賀の場での口上で、成田屋の役者が
「ひとつ、にらんでご覧に入れましょう」
と言って、「にらみ」を披露します。

まとめ

今回は、歌舞伎を象徴する
「見得」について紹介しました。

成田屋だけに伝わる「にらみ」
ご利益があるとのことなので
いつかこの目で拝みたいものです。

今回ご紹介した「見得」のほかにも、
様々な種類の「見得」がありますので
是非、おうち時間に調べてみて下さいね!